こんにちは土井(@takeshidoi73)です。
大阪で店舗を専門で不動産と工務店を経営しているとこのような質問があります。
居抜き物件はありませんか?初期費用を抑えたいです。
このような質問が多いのですが、店舗やテナントというのはそもそも論用途や使い方で設備容量、電気容量が変わるので必ずしも居抜き物件が正解とは言えません。
居抜き物件を借りることによって解体費用が増して、余計にお金がかかる人がたくさんいます。
では、居抜き物件を借りるべき人とはどのような人でしょうか?
- デザイン性にこだわりが強くない
- 全オーナーの使い方を考慮できる
- 特殊な機材を使用しない
- 初期費用を抑えるためには仕方ないと割り切れる
- 造作譲渡費用を支払うことにためらいは無い
このような条件がある人に店舗専門のオリジナルの情報を持った不動産屋は物件をご紹介しますが、店舗の情報を持っていない不動産屋にはこのような提案はできないんじゃ無いですかね。
今回の記事はやはりそう言っても初期費用を抑えて開業したいという人は8割なので、そのような方に役立つ記事として参考になれば幸いです。
店舗探しにおける居抜き物件とは?
居抜き物件は、前テナントの内装や厨房設備、空調などが残されたまま引き継げるため、出店費用を劇的に抑えられる「最大の武器」になります。
しかし、建築やインフラの知識がない普通の不動産屋から勧められるがままに契約すると、入居後に数百万円の追加工事が発生する「最悪の爆弾物件」に変貌するリスクも秘めていて、実際には入居したもののダクトがある、空調があると喜んで居抜き物件に入ったが、吸気計算が甘い物件だったため、油が空気に乗って客席の方に行ってしまうということがありました。
また、美容室では居抜き物件だと喜んで入居したもののお湯の出るスピードが遅い、結局は給水給湯配管工事をやり直し、大きな給湯器をつけることになったのでかえって費用が高くついてます。
こういった背景も踏まえて居抜き物件は本当に良いのか?メリットデメリットについて解説します。
1. 居抜き物件で出店する「3つの絶大なメリット」

資材高騰や人件費の上昇が続く現在の建築業界において、居抜き物件を選ぶメリットは金額・時間ともに莫大です。
- ① 初期投資(内装・設備工事費)の圧倒的な削減
スケルトン(コンクリート剥き出し)の状態から飲食店や美容室を作ろうとすると、坪単価で50万〜90万円、総額で800万〜1,200万円を超える莫大な費用がかかります。
その費用の大半は、壁や床のデザインではなく、目に見えない「水道・ガス・電気の引き込み・配管工事」です。これらが最初から揃っている居抜きなら、工事費を数分の1にまで圧縮できます。
また、ほかにも費用がかるのが空調工事、業務用のエアコンです。
ほかにはダクト工事、ガス工事、造作工事、内装工事、防災工事、各種許認可という部分もありますが、居抜き物件であればこれらの問題をクリアしやすい傾向にあります。 - ② オープンまでのスピード(準備期間)の大幅短縮
ゼロから設計・施工を行うと、物件契約からオープンまで3〜5ヶ月かかることも珍しくありませんし、普通です。
居抜き物件であれば、既存のデザインを活かしつつ、看板の架け替えや一部のクロス貼り替え、微調整(プチカスタム工事)だけで済むため、最短2週間〜1ヶ月でのスピード開業が可能になります。
その間の「無駄な空家賃」が発生しないことも大きな強みです。
また、設計士さんによるデザインを作る必要も無いので、中のデザインはクロスと床だけ決める、あとは看板にこだわって改行をしたいくらいのお客さんがほとんどですね。 - ③ 前店舗の認知度や顧客(動線)を引き継げる
同業態(例:居酒屋の跡地に居酒屋、美容室の跡地に美容室)で出店する場合、「ここに店がある」という地域住民への認知が最初からできている状態です。
前の店舗の評判が良ければ、オープン初日から前店のお客様がそのままスライドして来店してくれるケースも多々あります。
また、何をいっても立地やそこのお店に通っていたお客さんはこのお店を思い出すので、これが居抜き物件の良いところでしょう。
正直、居抜き物件の一番良いポイントは立地だと言えますし高い造作譲渡や、敷金、礼金を払わないと手に入らない最高の立地のお陰で店舗営業者の難関ポイントである広告費の削減にも繋がります。
一般の不動産屋は絶対に教えてくれない「3つの闇(デメリット・リスク)」

❌ リスク①:電気・ガス・給排水の「容量不足」という致命的な罠
「前の店もカフェだったから大丈夫だろう」と契約したものの、いざ自分の厨房機器を入れて営業を始めようとすると、電気のアンペア数が足りずにブレーカーが落ちる、あるいはガスの火力が弱くて料理が作れない、というトラブルが多発しています。
最悪なのは「給排水の容量・水圧不足」です。美容室でシャンプー台を増やしたらお湯が出ない、排水が逆流する、といった事態になれば、床を全部ひっくり返して解体し、何百万円もかけて配管をやり直す羽目になります。
実際にアンペア数が足りなければ、分電盤を入れ替えればOKというわけではなく、関西電力と協議し幹線の引直の工事を申請する必要があります。
これだけで50万から100万円は間違いなく必要なので、決して簡単なものではありません。
また、ビルによってはキュービクるなどによってきちんと高圧受電していないというビルもあって、飲食なのに8kwしか低圧、動力とも使えないという店舗もありました。
関西電力に協議するとここのオーナーはいつもこれだ、高圧受電するような大きさなのに毎年の保守点検費用を削減したいから高圧受電しない、結果的にここのテナントの人がいつもこの相談に来るとのことでした。
❌ リスク②:家主(ビルオーナー)様との原状回復義務のトラブル

居抜き物件を契約する際、前オーナーの「原状回復義務(退去時にスケルトンに戻す義務)」をそのまま新オーナーが引き継ぐ契約(居抜き承認契約)になるケースがほとんどです。
実際にこの写真の大きなカウンターは解体を僕がしました。
ですが、正直このカウンターは次のオーナーさんがBarや飲食店、立食式で使えると僕は思います。
つまり、もし自分の代で閉店することになった場合、「自分が作ってもいない、前オーナーが作った内装まで、すべて自費で解体して退去しなければならない」という重いリスクを背負うことになります。
ただ、原状回復義務でトラブルになった際は当社へご相談ください。
造作買取、造作譲渡で次の入居者を探してオーナーさんとの交渉もできますし、無駄な原状回復費用を抑えられる可能性もあります。
また、どうしても原状回復で解体の必要がある場合は当社が工務店なので、解体工事も可能です。
❌ リスク③:見えない設備の老朽化と「無保証」の現実
居抜き物件に残されているエアコンや厨房機器は、あくまで「中古品」であり、原則として現状有姿(保証なし)での引き渡しです。
オープンして1週間でエアコンが壊れたり、冷蔵庫のコンプレッサーが寿命を迎えても、前オーナーや不動産屋は直してくれません。
数万円浮かせたつもりが、最新の業務用エアコンの買い替えで数十万円の出費になるリスクがあります。
まあ、これに関しては居抜き物件は普通にあるので、そこを気にしていたらテナントを借りることはできないし、長期の間経営していくことは難しいので当たり前にあると考えてください。
中古品は何を買っても保証はないし、そんなものだということです。
工事のプロ・土井工務店が教える「失敗しない居抜き物件の見極め方」
居抜き物件で大成功を収めるためには、物件の内覧時に「不動産屋の営業トーク」を鵜呑みにせず、以下の建築インフラをシビアにチェックすることが絶対条件です。
- 【チェック1】主幹ブレーカーのアンペア数と、建物の「幹線」の太さ
自分の店舗で使う機器の総電気容量を計算し、物件の受電容量で足りるかを確認します。
電線(幹線)自体を太くする工事が必要な場合、ビルの構造によっては数百万円かかるか、そもそも工事不可の場合があります。
余談ですが、先ほど載せた件は電気の容量を増やす工事は関西電力には無理だと断られています。 - 【チェック2】床下点検口から覗く「配管の勾配(傾き)」と水漏れ跡
特に飲食店や美容室では、排水管が適切な傾きで施工されているかが命です。
これが雑だと、ラード(油)や髪の毛が数ヶ月で詰まり、階下のテナントへ水漏れを起こして莫大な損害賠償に発展します。
当社は入居前にグリスフィルターやグリストラップの清掃は推奨しています。
あくまでも中古品だし、この際にもし水漏れが発覚した場合はこれで営業しなくてよかったねと気づくこともできます。
また、営業してからでは正直遅いんですよね。
こういった背景を考えて、開業するオーナーさんにはテナントの保険に関してはかなり厚めに入っていただくようにお願いしております。
万が一、階下漏水した場合は当社が徹底してサポートをさせていただきます。 - 【チェック3】業務用エアコンの年式と、ダクトの排気ルート
エアコンの室内機・室外機に貼られているシールで「製造年」を確認してください。
7年以上経過している場合は、近い将来に故障するリスクを予算に組み込む必要があります。
また、焼肉や焼き鳥などの重飲食の場合、ビルの屋上までダクトがしっかり伸びており、近隣クレームにならない排気容量があるかを確認します。
排気量はフードのサイズで分かりますが、居抜き物件のテナントは時々、法令に順していないケースが多々あります。
排気のダクトは昔、消防がうるさく無い時代もあったせいか良い加減な業者が多く、大阪の心斎橋や北新地では火災になったケースが少なくありません。
それ以降は耐火構造、保温工事、看板のサイズ、防災、保健所、これらに関しては徹底してテナントさんには厳しくいって検査もしている消防士さんが多いのがほとんどです。
当社にも元消防士、電気工事士、防災工事がわかるものがいますが、これらを査察とも言ってました。
当社は元消防士がいるということもあって、内装工事をする前は必ず店舗に関しては消防署と協議を行います。
情報の多い居抜きの店舗物件一覧
- 飲食店
- 美容室
- 医療・福祉施設
- 美容サロン
- 事務所
- ダンス・バレエ
- フィットネスジム
- 買取屋
居抜き物件には様々な例があります。
中でも飲食店に関しては居抜き物件が非常に多いのですが、表に出る前に無くなるケースが多く本当に良い居抜き物件は初期費用の計算もせずに大きな企業が借りているというケースがほとんどです。
1店舗目に開業という人は見比べたい、いろんな物件が見たい、一度考えたいという人がほとんどですが、正直いい物件を紹介してもらえないというのが事実なんですよね。
僕たち不動産業者もどうせ見ても即決しないし、借りないからというのを大前提にする傾向にあるので本当に良い物件というのは一見の方、まして開業の方には教えないというケースがほとんどなんですよね。
店舗専門の業者というのは常に大きな企業がから問い合わせがあるので、大手企業を優先しがちなんですよね。
こういった背景も踏まえて最高の物件に出会えるには、まず借りる側も自分がどのように見られているのか?というのを客観的に考えるべきだというのが僕の意見です。
当社では、このような事情がある背景と開業のお客さんの気持ちも理解できるので、あらかじめこの説明はさせていただきます。
そして、それも踏まえてこの物件は本当に良い!と思うものにはお客さんに情報を伝える際にその旨を伝えます。
悩む気持ちも分かりますが、店舗というのは経営者として度胸と即決を求められるのが実態なので、それもお伝えして見つけれない人は一生見つけれないと個人的には思います。
締め:居抜き物件を探すなら当社は店舗専門の不動産と工務店
居抜き物件はこのように専門的な知識のある業者と不動産屋でなければ本当に良い物件と出会うことはありません。
多くの業者が入居後に何らかの内装工事を行なっております。
内装工事0で開業するというケースはほとんど見られませんし、最低限足らない部分は補う必要があるのです。
しかし、店舗専門ではない工事業者が物件を見たときにこのままでいけると勘違いをして、最悪な物件の提案をすることによって結局は解体費用を考えると入居するよりも費用がかかってしまうというケースも多々あります。
決して間違いでは無いのですが、テナント探しにおいて店舗を少しやったことがある、店舗の仲介を普通の賃貸と考えている業者がいるのでしたらそれは大きな間違いです。
最終的には専門的な知識がないとお客さんが結局は追加で工事が必要なケースがあります。
しかし、その時にはその現金はないから諦めてそのまま営業するしかないというお客さんがほとんどです。
こういった背景があるのを理解して、居抜き物件を選択してください。
余談ですが、僕はデザイン性の高い物件を作りたいのであればスケルトンを推奨しています。
立地にこだわりがある人であれば、解体前であってもスケルトンであっても借りるべきと推奨しています。
なぜなら、資金力のある会社は最初から立地で優位な条件にありますからね。
それに勝つには情報が入った時に経営者として、初期費用や目の前のお金を見るだけでなく立地や開業のスピードという背景も見るべきです。
それでは、皆様が少しでも素敵な時間をお家で過ごせるよう願っております。 質問や相談等があれば、記事を読んでくれた方に費用等はいただいておりませんので、気軽にご連絡ください。 それでは時間を大切に良い一日を。
土井健史










